【大人げない大人たちのマジ対決】ドラクエでキモきもち悪いヲタク男と対戦したときの話

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対決したのはこちら。ドラクエバトルロードの簡単な説明



ゲームセンターにあるアーケードゲーム。機械に100円を投入するとカードが1枚入手できる。そのカードを使い、遊び方を学びながら、自分だけのオリジナルパーティを駆使して、強い敵との戦いに挑戦するというもの。敵は最大で3回現れ、最後の敵は大魔王となり、勝つのが非常に困難になる。このアーケードゲームは小学生の間で大流行したゲームであり、いい大人が遊ぶのはあまり見たことがない。しかし、その多彩な演出を目の当たりにしてしまった記者は、誰も周りにいないのを見計らい、こっそりやってみたのだった。そしてゆくゆくは彼氏を巻き込むほどハマることになるのである。

小学生との触れ合い


当時、穴場的な場所で重宝していたミリアンパーク厚木店に通い詰めていた際、常連と思われる一人の小学生が話しかけてきた。まだ始めたばかりでザコカードばかりの私が負けてばかりなのを察して「俺のカード貸してあげようか?」と話しかけてきたのだ。その純真無垢な瞳と目が合い、私も「え、いいの?」とまるで親しい友人に話しかけるような対応をした。小学2年生くらいの男の子は嬉しそうにこくりと頷いて、「いいよ!オススメはこいつ!」とバインダーから惜しげもなくカードを取り出し、レアなカードを貸してくれたのだ。「ありがとう。強そうなカードだね」と言うと「強いよ、俺もよく使ってるし」と言いながら隣の椅子にナチュラルに座った。完全に観戦する気だこの子!「じゃあ始めます」と100円を入れてスタート。彼はとても場慣れしていて、カードを最大限に活かした完璧な流れでゲームを進め、3回戦まで突入した。大魔王ラプソーンが登場すると逃げ出したい気持ちになった私を見て「大丈夫、任せて」と肩をポンと叩いてきた。

頼もしい小学生が隣に座っているおかげで勇気づけられた私は、姿勢を正し、少年の指示通りに順調にバトルを開始した。どちらが勝ってもおかしくない接戦だった。が、一歩及ばず、負けてしまった。少年はがっくり肩を落として「勝てなくてごめんね」と言った。私は「いいよ。ここまでこれたこと自体初めてだったから。おしかったね。カードありがとう」とカードを返し、「じゃあまたね」と別れた。その後もたびたび見かけたが、友達と遊んでるようだったので私はメダルゲームの方で遊び、時間をズラして遊ぶようになった。私が先に遊んでいたときに少年が友達を連れてきたことがあった。「やあ、久しぶり」と声をかけてきたので「どうも」と会釈した。友達が「知り合い?」と尋ねたら「ちょっとね」と不敵な笑みを浮かべた。このときには私もかなり強くなっていたので、各々、ゲームを楽しむことになる。

ムカつく対戦相手


私は一人でCOMキャラと戦うのが好きだったのだが、ミリアンパークには人間同士で戦える仕様の機械も導入されていた。レアカードを求めてたまたまその対戦用の機械で遊んでいたときのことだ。メガネの30代くらいの地味な男

が、迷わずもう1つの対戦用のゲーム機に座り、対戦に乱入してきた男がいたので驚いた。COMキャラ相手に順調に勝ち進んでいたのに最初からになり、強制的に相手をさせられるハメになった私は思わず相手を見てしまった。相手の男はメガネをクイッと上げて見せると、そのまま画面を見ながらバインダーを開き始めた。なんだこいつ、腹立つ!!と思い、こてんぱんにのしてやろうと決意した。

スゲェ感じの悪い対戦相手


バインダーを所持しているということは、それだけカードも揃い、それなりの実力者であることは明白だったので、私も全力で取りかからなくてはいけなかった。ネットで調べた情報を活用する絶好のチャンスがきた。私の十八番であるパーティで挑んだのだが、結果、こてんぱんにやられたのは私の方だった。男はにやつきながら指をポキポキ鳴らし、勝利に浸っていた。私は「覚えてろよっ」

と心のなかで叫び、その場を後にするのだった。

一子相伝・弟子を育てる


あまりに悔しかったので彼氏に話すと「そりゃムカつくな」「俺だったら簡単に勝てたのに」と大きく出たので、「じゃあやってみてよ!」と言うと「ヨッシャ、明日行こうぜ」ということになった。私は内心、彼氏も始めてくれることを喜び、彼の男気を見てワクワクして眠れなかった。翌日、ギラギラした目の私とキツネ目の彼は朝一でミリアンパークへ向かった。だいたいの遊び方を知った彼は「とりあえず黒いカード(超レアカード)が出るまで買うわ」という大人買いをして、10枚に1枚入っているかどうかという黒いカードを6回目で見事に引き当て、「ヨッシャ、始めるか」とバトル開始した。「とりあえず、私に勝てないようじゃダメだからね」とスパルタ教育を施すと彼はみるみる強くなり、カード自体はたいして強くもないパーティで抜群のセンスを見せ、私を打ち負かすまでになった。これはもしかしたらいけるかもしれない…!と思った矢先、ヤツが現れたのである。

彼氏によるリベンジバトル


私を見るなりまたクイッとメガネを上げて、当然の如く対戦用の席に着き、いつものようにバインダーを開き、カードを数枚抜き取った。「うわ、なんだアイツ、キモッ」と彼が言うので笑いを堪えながら頷いた。彼氏はいつものパーティで挑むようだ。「お願い!絶対勝って!!」と彼の幅広い背中に両手をあて、気を送る。「私の分までがんばって!!」「あんなヤツ、チョロいぜ!一発でのしてやんよ!」と腕まくりしていたが、正直不安だった。ヤツはバインダーを埋め尽くしている重課金者。対してこちらは1週間前に始めたばかりのルーキー。一度対戦している私が感じた隙のない強さ。果たして彼の天性のセンスはヤツを打ち負かすことができるのだろうか-…?!

死闘を繰り広げた結果


結論を言うと、彼はあっさり勝ってしまった。「え、弱いじゃん。祭、あんなんに勝てなかったの?」「なんか拍子抜けしちゃったぜ」と鼻をほじくり出したのだった。「いや、あの人は強いよ!けけがバケモノみたいに強いだけ!」と首をふる私。そんな会話をしていてふと画面を見ると、また次の試合が行われようとしていた。「え!?」と二人で焦ったが、どうやら勝ち続けるかぎり、お金を使わず対戦が永遠とできるシステムらしい。あちらはムキになってバインダーをめくり、さらに上のレジェンドカードと交換し、こちらをにらみつけてきた。

「こわっ…。マジでなんなんだアイツ」と言いたくなるのもわかる。仕方なく対戦したが、何回やっても結果は同じ、彼の圧勝だった。4回戦を挑まれたとき「もうやめたい…つかれた」と彼がゲッソリしてきたので「私に代わって!」と言い、代わったら「あ、なんだよ邪魔すんなよ!こっちは勝ち逃げなんて認めねぇぞ」みたいな顔をしてきたので「けけじゃないとダメみたい…。もう、わざと負けるしかないんじゃない?」と
言ったら、彼は黙って頷いて、わざとミスを連発し、ヤツは満足して帰っていった。彼は「ヲタクこわい」としばらく落ち込んでいた。

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祭(まつり)
ライター

祭(まつり)

ワンピースのルフィ、H×Hのゴン、クレヨンしんちゃん、声優の高山みなみさんと同じ5月5日生まれ。おうし座、亥年、男の子の日生まれと待望の男子かと思われたが、生まれたのは病弱な女子だった。生粋の左利き。動物占いは群れを好まない「狼」。ショップ店員に紫色が異様に似合うと過去5回言われたが、本人は深海の蒼色好き。

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