アシタカとかよごっこ
「もののけ姫」が金曜ロードショーで放送された頃、アシタカがかっこ良すぎてどうしよう。と毎日ため息をついていたときの話だ。暇そうに尻毛をむしりながらテレビを見ている彼にためしに「もののけ姫」を見せてみた。すると彼は「ヤックルほしい」ともののけ姫の世界にどっぷりハマッてくれたので、これはしめた!と思った。「じゃあさ、アシタカとかよごっこやろうよ!」と彼にいうと、彼は小学生に作ったという防災用の頭巾を押入れから引っ張り出してきて、甚平にわざわざ着替え、雰囲気を作った。ヤックルのかわりに、部屋で一番でかかったプーギーの原寸大ぬいぐるみを使い、またがった。アシタカに扮する彼が豚のぬいぐるみにまたがり、夜中、村を出て行くところに駆け寄る私(かよ役)。「なぜ来た!村の掟で出迎えは禁じられているはず」「罰なら受けます。兄様、これを・・!」「兄様、かよはいつも兄様のことを・・!」「ああ、私もだ。いつもかよを想う」この一連の流れをたっちのかずや似の彼と、笑わずにできた私もすごいと思うが、24歳でぬいぐるみにまたがって部屋中を駆け巡る彼はもっとすごいと思った。