きっかけは神様のきまぐれ
12月のある日、神様は考えた。「お正月はなにをしよう?誰か遊びに来ないかな。大勢くれば楽しいだろうな。どうすれば皆が来るだろう」と頭がぼおっとしてきたので、顔をしゃぱしゃぱっと洗った。すると気分はスッキリ!「いいことを思いついたぞ!」
動物たちが集まる広場にわざわざおでかけして宣言
動物たちを集めたのではなく、集まっている場所に出向いた神様は、おほん!と咳払いをして注目を集めた。「来年の1月1日に私の家でご馳走大会を開きます。皆さんどうぞ来てください。なるべく早く来てください。12番目までに来ると、ご褒美があります」と言った。神様だから仕方ないのかもしれないが、私だったらこんな偉そうなヤツの夕食パーティなんて絶対行かない。しかし動物たちはご馳走とご褒美につられて、醜い争いをすることになる。
話を聞いた帰り道、猫とネズミの会話
猫がネズミに「ねぇねぇ、神様の家へ行く日って何日だったっけ?僕、忘れちゃった」と聞いた。すると猫に負けたくないネズミは「たしか2日とおっしゃったよ」と尊敬語で嘘を教えた。
必死なネズミ
絶対一番になりたいネズミは1月1日の朝にすぐ出掛けられるように、12月31日の夜は外で寝た。外に寝るくらいだったら神様の家の前で寝ればいいのに、と思う私が一番汚れているのでしょうか。
一着・ネズミ、二着・牛
ネズミが外で寝ていると、地面が突然ぐらりと揺れて目を覚ました。なんと牛の背中の上に乗っているではありませんか。「牛さんはもう出掛けるのですか?」とネズミが聞くと「はい、私は足が遅いので」とネズミを乗せたまま、神様の家へ向かった。神様の家に着いて、ネズミがピョンと牛から降りたときにちょうど神様がやってきて、「ネズミが一番、牛が二番!」と言い放ちました。牛はとても頑張ったのに、神様の言い方も腹立ちます。
恐ろしい形相の動物たち
「早足自慢のこの俺が、三番目とは情けない!」と虎が駆け込み、ウサギ、竜、蛇、馬、羊と次々に到着。猿と犬が喧嘩をしながら歩いていると、ニワトリが来て、「喧嘩はもうコケッコー(結構!!)」と二匹の間に割り込んだので、猿、酉、犬の順番になった。最後の亥は早く走りすぎて急に止まれず、神様の家を通りすぎて、戻ったら12番目になっていたそうな。
褒美は「年」を与えること

神様は12匹の動物たちに褒美としてそれぞれに年を与えることにした。1番目に来たネズミから始まって12番目に来た亥まできたら、また「鼠年」から繰り返すよう要った。これを「十二支」と呼ぶことにしようと決めたのだった。
猫の悲しい晩餐

皆が喜んでいるなか、「おや、そう言えば猫さんが来てないね」というのを聞いてハッとするネズミ。そのときようやく自分の過ちに気づいたのだ。ネズミに教わった通り、翌日の1月2日に来た猫は「君はぼおっとして来る日を間違えましたね。ぼおっとしたら顔を洗う。私はいつもそうします」と神様に言われるのだ。マジムカつく神。なんと不条理なことだろうか。
猫とネズミの関係の真相

ネズミのせいで「猫年」をもらえなかった猫。「2日は君の言い間違い?それとも僕の聞き間違い?」と聞くために、猫はネズミのそばに行きます。でもネズミは猫が怒っているに違いない、と思うので逃げてしまいます。それが現在のトムとジェリーの始まりだったということです。
十二支関連のオススメ漫画

「フルーツバスケット」作:高屋奈月。十二支の呪いを受けた男女が自身と葛藤しながら呪いと立ち向かうストーリー。猫憑きの相馬狂くんは現在も女性から絶大な支持を得ている。少女マンガが好きじゃない記者も認めるオススメ漫画である。