学校の七不思議
私の小学校に伝わる七不思議をご紹介しよう。
【１つめの不思議】放課後、誰もいない音楽室のピアノの音が鳴ったとき、べートーベェンと目を合わせると呪われる
【２つめの不思議】理科室の人体模型が夜中に走り出す
【３つめの不思議】あかずのトイレがある
職員用の隣にある、進入禁止の貼り紙があるトイレ。花子さんが出るとの噂があったため、誰も近寄りたがらなかった。
【４つめの不思議】貯水槽に死体が入っている
【５つめの不思議】夜中になると12段が13段になっていて、昇りきるとあの世に繋がる
【６つめの不思議】体育館に首のない男の子がバスケの練習をしている
ボールは自分の生首。ゴールが決まるまで、練習は繰り返されるんだとか。
【７つめの不思議】4時44分に踊り場
の鏡の前に立つと、鏡のなかに引きづり込まれる
幻の８つ目を聞くと、学校に取り込まれるという話
この８つ目の不思議を、私は実際に耳にしたことがある。聞く前は恐ろしくて、友達と手をにぎり、肩を寄せ合っていた。友人の話はこうだ。夕方になると、校庭ののぼり棒の上でリコーダーを吹く少女が現われる。少女はいつも同じところでつまずいてしまい、また始めからやり直すのだが、その音が出せないのは、交通事故で指を１本なくしたから、なのだそう。校庭のどこかに落とした指を探しているという話なのだが、それは私のことだ。得意なのぼり棒に登ってリコーダーの練習をするという習慣がしばらく続いたある日、遠くから叫び声が聞こえたが、あれは、8つ目の不思議を確かめようとした男子の悲鳴だったに違いない。実際は指もなくしていないので、探してもいない。８つめの怪談は私の変な習慣のせいで尾ひれがつき、友人たちを恐怖の底に陥れるのだった。
遠藤 恵里子
しゅんくん
ロイヤル後藤
深海魚
ひめこ ・。・
ライター三号