【絶滅危惧種】職業「飛脚」の熱い男が語る。「もっと仲間を増やした~い!!」

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飛脚は生きていた!


飛脚という言葉からイメージするのは、依頼人から託された手紙やお金を指定された場所まで自分の足で送り届ける人。明治時代以降は郵便制度の普及により飛脚は姿を消したと信じられてきた。というよりも、これほど通信手段・輸送手段の発達した現代において飛脚が存在すると信じる人間がいるとは思えない。そうした思い込みを覆したのが、編集部への一本の電話であった。電話の主はこう切り出した。「はじめまして。私、飛脚です。」



ボツワナへ


加藤貴之(29)は現役の飛脚である。言われてみると、その締まった体つきがだんだんと飛脚そのものに見えてくるから不思議だ。会社勤めの傍ら、加藤は日本国内はもとより中国、ペルー、マケドニア、イランといった国々を飛脚として歩いてきた。運んだものは文書であったり、誰かの「想い」であったり。これらの経験を通じて飛脚事業への専念を決意。会社への辞表は提出済みだ。10月1日に晴れて「専業飛脚」としてデビューする。最初に歩く場所はアフリカ大陸ボツワナ共和国……。



飛脚加藤が歩く理由


飛脚の本来の務めは「運ぶ、届ける」こと。ところが加藤の場合はそれだけではない。「目指すのは、人々がいろいろな土地への行き来を増やし、交流が起きること。そのきっかけを作りたい。私がある土地を実際に歩けば、そこがいかに平和であるか身をもって証明できる。その結果、他の人々がその土地に関心を持ち、行き来が始まる。」と語る。「他の土地との交流で生じた知識や知恵の交換が人類を進歩させ、この先何万年も環境との共存を可能にする」と信じる。彼が歩く理由はそこにある。



飛脚の見果てぬ夢


「歩く者は弱い存在。持てる荷物の量は限られているので、常に食べ物や寝床の確保に追われます。一日に歩ける距離も限られているので、必要なものが手に入るお店が見つからない場合もしばしば。したがって旅先で生きていくためには、見ず知らずの他者に頼るしかありません。」見ず知らずの他者と信頼しあえる社会。これこそが加藤の考える「平和な社会」に他ならない。「歩いてみてわかったこと。世界は私たちが考えるよりもずっと平和です。」 10月1日に加藤が刻む小さな最初の一歩。人類にとって大きな一歩となるに違いない。

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ライター

ライター三号

何もすることがないと思いきや一日にやることは思いの外多く過ぎてゆく日を大海のごとく背にしている。 Homepage / Facebook

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