真面目すぎるTSUTAYAの店員さんのせいで恥をかいた話・その他

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公開処刑


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あれは忘れもしない4年前の夏。その頃、レンタルコミックにハマっていた私は、借りるついでにと、当時付き合っていた彼にエロマンガを借りてきて欲しいと言われ、嫌々ながらOKした。仕事終わり、24時30分を回り、あと30分で閉店というところで、急いでお目当てのマンガと頼まれたものを選び、レジへ向かった。本屋と混合されていていつもは混んでいるレジカウンターも、閉店間際でガラガラで、TSUTAYA店員は暇をもて余しているようだった。私は一番近いレジに会計カゴを置き、「いらっしゃいませ、お預かりします」という言葉を聞いて安心した。しかし、なんとなく、嫌な予感がしたのだ。ひとつひとつの対応が丁寧すぎると胸元を見ると、研修中のプレートがついている。そしてすぐ後ろにはバインダー片手になにやらチェックしているベテラン店員が。これは丁寧にならざるを得ないが、マンガの題名をすべて読み上げているのが気がかりだった。このままでは、真ん中に忍ばせたエロマンガの題名まで爽やかに言われてしまう!!私は気が気ではなくなった。まだ学生と思われる新人店員は、あたりさわりのない少女マンガの題名ばかりが続き、なにも疑う素振りは見せない。だが、いよいよそのマンガまでたどり着いたとき、「2人エッ…」「え?」と思わず言うのをやめた。それはそうだろう。コレ、題名がモロですもの。あきらかに挙動不審になり、私を見たり、答えは書いていないだろうに、レジを見たりして、挙げ句、ベテラン店員に助けを求めた。「コレって読み上げちゃっていいんすかね?」とマンガを見せた。ベテラン店員の男はニヤリとすると「ああ、コレは言わなくていいよ」とこちらをちらり見してにこりと笑った。「お客様お待たせしました」ホラ、やって!とベテラン店員が新人店員を促し、作業が再開された。その後もエロマンガの怒濤のラッシュが続くとも知らずに…。私は「コレは私が読むんじゃなくて、彼が読むんであって、違いますからね!!」という言い訳を頭に巡らせていた。無言のバーコード読み込みがしばらく続く。なんだか、本当に…気を使わせちゃってごめんなさいね!!この待ち時間が、永遠にも等しく感じられたのは、言うまでもないだろう。やっとの想いで会計を済ませた帰り際、トイレでなにがいけなかったのか、どうしてこうなったのか、という一人反省会を行い、出てみると「女の人にも性欲ってあるんすね~」という声が聞こえ、とても死にたくなった。「マニアックなのばっかだったな~」「恥ずかしくないんすかね、今は通販とかでいくらでも手に入るのに」と言われたい放題だった。レンタルコミックを扱うお店は近所にここしかなかったのだが、私はもうここには来れないだろう、とトボトボと帰った。満身創痍で彼の家にたどり着き、「おかえり~」と言いはするものの、ゲームに夢中になってこちらを見向きもしない彼に心底腹が立ち、岩のように重いマンガ本が詰まった袋を彼のあぐらをかいた足の上に置いた。「なんでここに置く?!」と対戦中で手が離せない彼はどうにも動けなくなった。「おい!」「今すぐゲームをやめて!こっちを向け!」と凄みを効かせると、いつもと違う雰囲気にただ事ではないと察した彼が大事な対戦を投げ出し、こちらに向き直った。「私が貴様のマニアックな趣味のせいでどれだけ恥をかいたと思っているんだい!!え?!」と普段怒らないので変な口ぶりになり、彼もにやついた。「笑うなバカヤロウ!!」とペチンと頬を叩いてもニヤニヤしている。らちがあかないので事の経緯を話した。「それはすまないことをした!」とすぐ謝ってくれたので怒りは収まったが、寝る間際、「ねぇねぇ」「マニアックな俺も嫌いじゃないでしょ?」と言われたので、また腹が立ち、しばらく眠れなかった。

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祭(まつり)
ライター

祭(まつり)

ワンピースのルフィ、H×Hのゴン、クレヨンしんちゃん、声優の高山みなみさんと同じ5月5日生まれ。おうし座、亥年、男の子の日生まれと待望の男子かと思われたが、生まれたのは病弱な女子だった。生粋の左利き。動物占いは群れを好まない「狼」。ショップ店員に紫色が異様に似合うと過去5回言われたが、本人は深海の蒼色好き。

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