「狐の嫁入り」祭とは?
皆さんは夏目友人帳や蟲師、幻仔譚じゃのめをご存じでしょうか。その世界観に類似しているお祭りが新潟県津川町で実際に行われています。5月3日の1日限定のお祭りにも関わらず、国内外問わず、毎年たくさんの人が訪れています。津川の麒麟山には、その昔、狐がたくさん住んでいて、狐火にまつわる話が数多くありました。狐日が平行して見えたことから、狐の嫁入り行列が生まれたとされています。
狐の嫁入り屋敷
津川町には”交流”をテーマに、地域の人々と旅人が素敵な物語を紡ぐ場所があります。それが狐の嫁入り屋敷です。館内では狐火をテーマとした映像や、狐の嫁入り行列の様子を約30分の1で再現したジオリマの展示などがあり、地元の土産物(まんじゅう、狐の耳ヘアバンドなど)も販売しているほか、祭り当日になると狐のメイク体験(1人600円)、狐の面作り体験(絵つけ1個1500円)もできます。また各種イベントに利用できる多目的広間も完備していて、町の活性化に活躍しています。
狐の嫁入り祭りの全容
祭りは大行列となるので昼間から行われます。中学生の白装束グループから始まり、巫女さんグループ。おじさんのお供家来衆に続いて、若狐が輿入れの駕籠を担いで歩きます。白無垢の花嫁は総勢108人のお供を連れて舗道を練り歩きます。当日は警察官も狐のメイクをしているので探してみると面白いかもしれません。
狐の嫁入りの思い出
私がまだ小学生の頃、いとこと一緒に、一度だけ行ったことがあります。私たちが着いたときには、辺りはもうすっかり夜になっていて、すれ違う人のほとんどが狐のメイクをして、少しこわくなった思い出があります。行列の、綺麗な若狐がにこりと微笑み、狐をしぐさをして見せたので、思わず目を反らし、慌てていとこに駆け寄りました。狐火に似せた点灯と、双子の子狐、嘘みたいに綺麗な花嫁をぼんやりと見つめながら幻想的な世界に浸りました。頭がのぼせるような、なんとも言えない気持ちになりました。
終わりに
狐の嫁入り行列は祭りになることによって親から子へ、子から孫へと言い伝えられ、狐火の多く見える年(狐の嫁入り行列が見えた年)は豊作で縁起が良いとされています。一時的に住んでいた筆者からすると森と川以外何もないところですが、この狐の嫁入り行列を見に来るだけでも、訪れる価値はあると思います。日本独自の、世界に誇れるお祭りだと、筆者は思うのです。