思い出のマー二ー
小学生のアンナは友達の輪に入れず、そのストレスから喘息を患っていた。夏休みを機に、親戚の家で療養することになったアンナ。心配性のアンナの義理の母は、出発前にアンナに色々手を尽くしていた。それを鬱陶しく思ったアンナ。「メェメェうるさいヤギみたい」と独り言をつぶやく。親戚の家に着いたアンナは、自然に囲まれ、景色も良い家を気に入り、スケッチがてら毎日冒険へ出掛けた。とくに、前から知っているような気がしている屋敷に、一人で行ってみるのだった。屋敷には誰もいなく、アンナはいつの間にか眠ってしまい、潮が満ちて帰れなくなってしまった。すると、無口な船乗りが黙ったまま助け出してくれ、事は無事に済んだ。その後、親戚のおばさんのはからいで1つ年上の女の子と夏祭りに行くことになった。同じ年頃の人間が苦手なアンナは、本当は行きたくなかったが本人に直接「おせっかい」とは言えず、乗り気じゃないまま七夕祭りへ向かう。そこで短冊に願い事を書いたアンナは、それを見られてしまう。「普通でいられますように、?普通って何?」と聞かれて恥ずかしくなる。さらに「アンナちゃんて目がちょっと青いのね」と指摘され、注目されることを嫌ったアンナは「ふとっちょブタ!!」と心の声を出してしまう。アンナはハッと、我に返ったがもう遅かった。「ふーん。普通になりたいって意味がわかったわ。でもね、あなたはあなたにしかなれないわよ」と言われ、駆け出した。「私は醜くて、バカで、不愉快」泣きながらアンナは海辺を眺めた。すると、一艘の船が目に入る。アンナはまた、あのお屋敷に行くために船をこいだ。お屋敷まで来ると待っていたのは、夢に出た金髪の少女、マーニーだった。マーニーはよく話し、よく笑い、おてんばで美しく、アンナはすぐに好きになった。マーニーはアンナに「私たちの関係は二人だけの秘密よ」と言い、別れを告げた。それからというもの、アンナは毎日のようにマーニーに会いにいった。アンナとマーニーは1日3回、お互いに質問していいというルールを作り、少しずつ、お互いのことを知っていくのだった。アンナは、「おばちゃん(義理の母)はね、お金を貰っているの。私が本当の子どもじゃないから、貰えるお金を。」とマーニーに話す。両親がいて、お金持ちの恵まれた環境に育ったマーニーが羨ましいと言った。だけどマーニーは、本当の子どもじゃない子を育てているおばさんたちこそ、本当に親切な人だと思う、私はアンナが羨ましいと告げた。マーニーは、ばあやや、侍女にいじめられている話もした。幽霊が出ると噂されている塔に連れていかれたことを打ち明けると、アンナはこれから行こうと提案する。二人なら大丈夫、と。しかし、マーニーはアンナを塔に置き去りにしてしまう。どうして、私を置いていったの?マーニー。裏切られた気分のアンナは、またお屋敷に向かった。マーニー、どうして私を置いていったりしたの?ごめんなさい、
アンナ!!でも、あなたはあの場所に居なかったのよ!!どういうこと?私、もうここを離れなければならないの!!お願いアンナ、私を許すと言って!!許してあげる!!あなたが好きよ、マーニー!こうして、二人は仲直りしたのだが、それからマーニーの姿は見れなくなった。マーニーが住んでいた屋敷は改装工事が進められ、外観はどんどん変わっていった。新しい家主の娘とアンナは知り合いになり、マーニーのことについて調べるようになる。そして、マーニーをよく知る人物を突き止めた二人は、真実を知ることになる。マーニーは、実はもうこの世に存在しない人物で、アンナのよく知る人物だったのだった。アンナの目が青い理由は、金髪の少女の目の色を受け継いだから。マーニーは、アンナの祖母だった。アンナの両親が交通事故に遭い、亡くなった後、アンナを引き取ったものの、自分も亡くなり、親戚から厄介者扱いされ、やっと見つかった引き取り手も、お金を貰っていると、誰も信じられなくなっていたアンナを心配して、出てきたのかも知れない。様々な偶然が二人を引き合わせ、すべての疑問が最後に解決された。初めて会ったアンナに、マーニーがあなたのこと、よく見てるわ、毎日。といった理由も。