【心の故郷】おばあちゃんのほっこりエピソード

スポンサーリンク

おばあちゃんと私


私はおばあちゃんが大好きだ。2月13日で96歳になるおばあちゃんには、現在、孫10人、曾孫が9人いる。そのなかで間違いなく、私が一番おばあちゃんを大好きだし、おばあちゃんも私を好きだという自信がある。おばあちゃんの誕生日はバレンタインと1日違いで、大のチョコ好きということもあり、毎年チョコを送っている。そんなおばあちゃん大好きっ子が話す思い出エピソードを聞いていただこう。

おばあちゃんエピソード1・行方不明事件


私は生まれた直後に生死に関わる病気をして、絶対安静が必要だったのだが、なんとか生き抜き、それでもしばらく様子をみた方が良いということで、空気の綺麗な新潟のおばあちゃんちに預けられました。知っていますか?空気が綺麗だと、シャボン玉がいつまで経っても割れないんです。いつまで見ててもなくならないから飽きて、他の遊びに夢中になるんですが、ふと見るとまだふよふよ浮いてるんですよ。ちょっと不気味でした。おばあちゃんちの隣が森で、その山がおじいちゃんのものだってウソを信じていたので、我が物顔で遊んでました。小川が流れてたので夏はスイカやキュウリやトマト冷やして食べてました。小川の上流に広くて深い池っぽいところがあって、そこでパンツ一丁で泳いだりもしてました。子どもだから危ないこともして、森の奥、どこまで行けるか探検したりして。そんな冒険を知らないおばあちゃんが、お昼になって呼んでも私が全然来ないから、まだ安静にしていて欲しい頃だったから余計に、大変な騒ぎになっちゃいまして。探検に満足して山を降りた
ら、村の人ほとんど全員いるんじゃないかってくらい集まってて、おばあちゃんは私を見るなり倒れちゃうし、毛布かけられておばさんには優しく諭されるは、近所のおじさんには怒鳴られるは、大人たちは大げさだな~と思いました。おばあちゃんは、私の大好きな笹団子を山のように作って無事を祈っていたそうで、悪いことしたなぁと後々、反省しました。

おばあちゃんエピソード2・闘いの末に


images3OZO4K9S

おばあちゃんとはよく山菜採りに行っていたのですが、おばあちゃん、ゼンマイとそうじゃないのを見分けるのが、ものすごく早かったんですね。ほんとにちゃんと見てるのか心配になるくらいポイポイ籠に入れちゃうんです。だからちょっと試しに、ゼンマイに似ている食べられない植物を、ゼンマイそっくりに土をかぶせたりカモフラージュして「おばあちゃん、これゼンマイでしょ!?」と見せたのです。正直、見分けつかないだろうと思ってました。すごい自信あったんです。だけど一瞬見ただけで「ちがう!」と否定され、悔しかったです。負けず嫌いの私は本物のゼンマイをあらためてじっくり観察し、今度は本物の方にも土をかぶせ、本物と偽物2本持って「ゼンマイ見つけたよ!!」とサッと籠に入れようとしたら「こっちは違う」と偽物だけよけられました。え、なんだこれ。こうなったらもう意地です。本物と偽物2本持ちながら「おばあちゃん、ゼンマイど~っちだ!?」とぐるぐる回りながら言ったのです。おばあちゃんは黙ったままこちらを見
ていました。やがて私が疲れて止まると、「こ~っちだ!」と本物の方をひったくって籠に入れたのでした。

おばあちゃんエピソード3・どんぐりの背くらべ


どんぐり

夏休みや冬休みは私と姉、いとこ4人の計6人でおばあちゃんちに遊びにいっていました。上の5人は小学校高学年になると小柄なおばあちゃんの身長を越し、あと1人、最年少のこうちゃん(♂)はおばあちゃんと同じくらいでした。ある日、身長順に並んでみようという話になり、もちろんこうちゃんは一番後ろ。それが悔しかったんでしょう、おばあちゃんを連れてきて、どっちが高い!?と聞いてきたのです。見比べるとわずかにこうちゃんの方が高く「ホラ、僕の方が高い!」と誇らしげに言うこうちゃんに、ムカついたんでしょうね、腰の曲がったおばあちゃんがぐぐっと姿勢を正し、無言でこうちゃんより自分の方が高いとアピールしたのです。こうちゃんはおばあちゃんがそんなに伸びると思わなかったみたいでショックを受けた様子で、その後しばらく遊びに参加せず、ぼんやりと空を眺めていました。

おばあちゃんエピソード4・フルヌード披露


imagesJ2XLDLJ8

村で初めて温泉ができるということで、山道を30分かけておばあちゃんと登って、初日に駆けつけたことがあります。そのとき来ていた地元の新聞記者がおばあちゃんと孫(当時5歳)がこんな大変な思いをして来てくれた、と記事に取り上げるため、おばあちゃんと私が温泉に入っている写真を撮り、地元の情報誌にでかでかと載せたのです。おばあちゃんは今でもその記事を大事な物入れの箱にしまっています。

おばあちゃんエピソード5・祈りを捧げる


おばあちゃんちの部屋の中心部には12畳の広間があって、寝るときはそこに布団をしいて一緒に寝るのですが、その日は神棚・私・おばあちゃんの位置で寝ていたものですから、朝一で親戚全員の無事を祈るおばあちゃんと神棚に挟まれて、夢のなかの私はその念仏の影響をモロに受けてしまい、うなされました。私の無事を祈っている下で、孫がその祈りのせいで金縛りに合い、無事じゃないのでした。

おばあちゃんエピソード6・祈祷師の助言


images7S0V0NB5

私たちの親族は、子どもが産まれると、代々、絶大な信頼を寄せている祈祷師の子孫に将来を占ってもらいます。私が占ってもらったときは「この子は超幸運。バス事故で全員死んでも無傷で生き残るくらい運がいい」ということだったらしいのですが、まだそこまでの事故には逢ってないので本当かどうかは確かめようがありません。ある日、おじいちゃんが死んでからしばらく経った頃、トイレに向かおうとしたおばあちゃんがなにか後ろから掴まれたかのように背中からどて~っと倒れる事件が起きたのです。それがトイレに行くたびに起こるというので何か霊的なものの仕業だと思ったおばあちゃんは、祈祷師に視てもらうことにしたそうです。すると、原因はすぐにわかりました。生前、おじいちゃんが大事にしていた巨大な岩のような石を、おばあちゃんが家に持ち込んでいて、それにおじいちゃんの意思が伝わり、「俺のことをずっと忘れるな」と言っていると言うのです。
iwa

祈祷師が言うには、部屋には置かず、ちゃんとあるべき場所(土の上)に置けば元に戻るということで。さっそく実行すると、その現象はピタリと止んだのだそうです。

おばあちゃんエピソード7・おまえは鬼の子発言


私が母のことを悪く言ったとき、「おまえは鬼の子だ」と嘆かれた。おばあちゃんの子どもでもあるのに、と後で反省し、謝りました。
imagesMGBJKJNI

おばあちゃんに聞いたこと


私は中学2年生のときにいじめにあい、登校拒否をしている間、母とも上手くいかず、気分転換に久しぶりに外に出たときに捻挫をし、何もかも嫌になってしまいました。もう死にたいと思ったので、最後におばあちゃんに会っておこうと、松葉杖をついて新潟まで会いに行きました。そのとき、おばあちゃんに質問しました。「人間は一人なの?私は孤独に死ぬしかないの?」と。そうしたら「そんなことねぇ。ばあちゃんがいる」とハッキリ答えてくれたのです。私には誰も悲しんでくれる人がいないんじゃないか、と思っていたので、少なくてもおばあちゃんは倒れるくらい悲しんでくれるんだろうと思い、涙が出ました。もう少しだけ生きてみようと決意した瞬間でした。そしていつかこの村で、狐の嫁入りの花嫁として祭りを挙げたいと思ったのです。

スポンサーリンク
祭(まつり)
ライター

祭(まつり)

ワンピースのルフィ、H×Hのゴン、クレヨンしんちゃん、声優の高山みなみさんと同じ5月5日生まれ。おうし座、亥年、男の子の日生まれと待望の男子かと思われたが、生まれたのは病弱な女子だった。生粋の左利き。動物占いは群れを好まない「狼」。ショップ店員に紫色が異様に似合うと過去5回言われたが、本人は深海の蒼色好き。

新着記事


スポンサーリンク