あのスタジオジブリの宮崎駿が
ジブリ好きの記憶にも新しい「風立ちぬ」が公開されてより一ヶ月後。
9月6日に行われた会見で、宮崎駿が衝撃の発言を行った。
「スタジオジブリのプログラムから、僕を外してもらうことにしました」
引退宣言だった。
宮崎駿引退の経緯について、6日の会見を元にまとめてみた。
スタジオジブリと宮崎駿
説明は不要かも知れないが、スタジオジブリと宮崎駿について簡単に紹介する。
株式会社スタジオジブリは宮崎駿監督映画『風の谷のナウシカ』の興行的成功を受けて設立されたアニメーション会社で、1985年の創立から現在まで、劇場用の長編オリジナルアニメを中心に制作している。
『ジブリ』とはサハラ砂漠に吹く熱風のことで、「日本のアニメーション界に旋風を巻き起こす」という意志が込められているという。
宮崎駿は元々アニメーターとしてアニメーション会社を転々としていた。
スタジオジブリ以前の代表的な監督作品には『ルパン三世 カリオストロの城』などがある。
現在までに10作以上の長編アニメーション監督を務め、世界を代表するアニメーター・映画監督である。
数々の引退騒動。しかし今回は・・・
「ぼくは何度もやめると言って騒ぎを起こしてきた人間なので、『どうせまただろう』と思われているんですけど、今回は本気です(笑)」
そう言ったあと、今回の引退宣言の理由として”老い”をあげた。
「『風たちぬ』は『ポニョ』から5年かかった。(中略)今、次の作品を考え始めると、5年じゃすまないでしょう。この年齢ですから。(中略)僕の長編アニメーションの時代ははっきり終わった。今後、やろうと思っても、それは年寄りの迷い言だと」
ジブリのため。自分のため。
記者会見時に報道陣に配布された「公式引退の辞」の中に、
「“風立ちぬ”は前作から5年かかっています。次は6年か、7年か……それではスタジオがもちませんし、ぼくの70代は、というより持ち時間は使い果たされてしまいます。」
という一文がある。
「制作に時間がかかってしまうとそれを支えるスタジオに迷惑がかかってしまう」という想いと、「自由にやりたかったことをやりたい」という想いが重なっての引退。
これから彼はどのような道を歩むのであろうか。